親に終活を始めてほしいなら、まず自分のモノをゼロに

親が高齢になってきた、そろそろ実家を片付けてほしいな…
そう思うなら、まず自分のモノを実家から全部出すことから始めましょう。
「私の実家なのに?」と思うかもしれませんが、これには理由があります。
親の金銭的負担が減る
就職なり結婚して家を出たなら、そこは親の家。子どもには所有権がありません。
当然、家賃や固定資産税は住んでいる親が払いますよね。掃除などの管理も親が行なっているはずです。
ところが子供部屋がそのままだったら、その部屋の管理も金銭的負担も親がすることになります。親たちはそのスペースを使うことができないのに、です。
もし、やむをえず自分のモノを置いたままにしなくてはならないのなら、親に管理費をお支払いしましょう。トランクルームに預けてもお金がかかるのと同じです。
親の心理的負担が減る
シニア世代のご自宅で片付けをしていると、決まって自立したはずのお子さんの小学校時代の賞状や作品が出てきます。
これ、あなただったら取っておきたいですか?
おそらく「全部捨ててくれ」と叫ぶのではないでしょうか。
ところがご依頼主であるシニア世代の方は、捨てられないんですよね。
「子どものモノだから、子供に聞いてみないと」とおっしゃったり、「頑張ってたのを知ってるから捨てられないわ」とおっしゃいます。
決断力がないのではなく、本来モノの処遇を決められるのは所有権がある持ち主本人だ、と感じているからです。
やむを得ず「ひとのモノの処遇を決める作業」は「自分のモノの処遇を決める」以上にエネルギーを使います。実際にモノを片付ける作業は時間も体力も使います。これを高齢になった親にさせたくないのであれば、せめて自分のモノの処遇は自分で決められるうちに決めておきましょう。量が少なければ負担も軽くて済みますよ。
自分の将来の負担が減る
働き盛りの世代が親を亡くすと、時間との戦いになることが必至です。
相続の手続き、そのための資料集め、その資料を探すための片付け…
これらを限られた期間で行わなければなりません。そのために自分が何日有給休暇を使えるか、把握していますか?
私の知人は、誰もいなくなった実家を片付けるために半年間、単身赴任することを決断しました。リモートワークが可能で、会社の介護支援の制度をうまく利用できたから実現しましたが、その間育ち盛りの自分の子供には会えません。当然経費もそれなりに発生します。
実家の一室は学生時代の自分の荷物でいっぱい
だとしたらそのモノたちの処遇を決めるのは10年後ではなく、今がベストです。今日が一番若い日、それは親も同じです。
親に「片付けてほしい」とリクエストする前に、少しずつ自分のモノを実家から出していきましょう。「一緒にやろうよ」と声をかけてみるのもいいですね。
まとめ まずは自分の実家からちゃんと巣立とう
親に終活を始めてほしいなら、まず自分のモノを実家から出した方がいい理由を解説しました。
「相手にしてほしいことがあれば、まず自分が率先してやる」何にも通じることですね。
相手をどうこうしようとするより、自分でコントロールできることから始めることが大事です。
親に負担をかけたくない、いつまでも健康でいてほしいと思うなら、まず実家に置いてある自分のモノをゼロにしましょう。双方にメリットが大きいはずですよ。
自分たちだけでは無理だ…と感じたらプロを頼ってくださいね。