【ホームファイリング事例】残される家族に迷惑をかけない書類整理をしたい

人生の終盤戦、終活の一環で「残される家族にもわかりやすくて迷惑をかけない書類整理」を選んだ70代の女性。ご自分の老いに向き合い、納得のいく取捨選択をしたいとご依頼をいただきました。導入の経緯から具体的な作業工程、ご感想までの記録です。

目次

クライアントIさまについて

Iさま 70代女性 夫と二人暮らし

ご依頼のきっかけ(お手紙より)

やたらファイルする癖があり、家のあちこちに置いていたが歳をとり分類や保管場所を覚えきれなくなりました。また夫が取引先に求められた書類を探し出せないのを見て整理の必要性を感じたこと、加えて身近な人が急逝し、そろそろ家全体の書類を整理し「もしも」に備えておこうと思いました。行動範囲も狭くなり、不要なものが区別しやすくなった今がタイミングだと思って依頼しました。

導入前のお悩み

  • 複数の保管場所があり忘れてしまう
  • 役所から届く書類に書いてある意味が分からず、処分していいのかわからない
  • 未処理の書類は封筒に戻して食卓に立てている為、来客時に恥ずかしい
  • 取扱説明書は箱に入れていたが場所を取る上必要な時に取り出せない

具体的な作業工程(前半)

訪問3時間×2回でボックスファイリング
訪問3時間×2回+1時間でフル導入 の2段階でした。
まずは前半 ボックスファイリングまでの作業工程です。

1回目 簿冊式ファイルから整理

まずはよく使う書類として薄いファイルに綴じられていたものを解体。ファスナー付のポーチに入っていたものも中身を出して整理しました。

なんでも細かく記録を残しておきたいIさま。「自動車」のファイルには自動車を購入したときのカタログ、オプションのパンフレット、契約書、領収証、メンテナンスの記録が。それぞれ自分はどのモデルを買ったのか、どのオプションを付けたのか、営業担当者とのやりとりなどメモがびっしり書いてありました。

でもよく見ると買替前の車両のものもありました。今後も残しておきたいか?使う機会があるか?と尋ねられると「下取りに出して車自体手元にないから不要」と判断でき、整理が進みます。

初めての書類整理、1枚1枚に向き合うと疲れますのでこの日は紙製のフラットファイルやポケットファイルなど8冊と7センチ分の書類を廃棄して終了としました。

2回目 取扱説明書と封筒を整理

食卓に溜まっている封筒と取扱説明書、年賀状に着手。リフォーム工事で業者さんから渡された取説はまとめてお中元の箱に入っていました。大きくてしっかりしている分たくさん入りますが、取り出しにくいのは確かです。

年賀状は専用ファイルをお使いでしたが、中身は半分以下。すべて取り出して残しておきたいものだけにすると慶弔合わせても8枚ほどになりました。これなら葉書用のリフィルとスティックファスナーを使えばデザイン面も一覧できますし省スペースです。

食卓の封筒は、開いてみたけどよくわからなかったものと後でしまおうと思っていたもの。税務署など役所からの手紙は文字が小さくて読みにくい。読んでも理解できないから何をすればいいのか、処分していいのかわからない。だから封筒に戻していつでも見られるように食卓に置いてあったんですね。
これらは私が読み上げ、スマホで調べ、1枚1枚整理を進めました。

一旦ボックスファイリングで終了

ここまで扱ったのはご自身の書類と取扱説明書のみ。ご主人が管理している書類には手を付けていません。ファイルボックス2つ分におさまったのでタイトルは付箋に大きな文字で記入しただけ。「焦る気持ちが落ち着いた」とのことでしたので一旦終了としました。

具体的な作業工程(後半)

本格的に導入したいと相談を受けて8ケ月後に再度ご訪問。ご主人管理の書類の一部も加わりました。
後半、フル導入完成までの作業行程です。

3回目 事業用と混ざった書類を分ける

まずはご主人が管理している書類を事業のものと家庭のものに分類。事業用はボックスの色を変えて、一目でわかるようにしました。

古い契約書を残すか悩んでいた時、背幅の厚みに対して書類が少ないことに気づき解体してみようということに。(破損のリスクがある旨ご説明の上、許可を得て作業しています)製本テープをはがすと出てきたのは釘でした。重厚感を出すためなのか、釘の長さに合わせるためなのか厚み調整用のボール紙が4枚も。取り除くと1/4ほどの厚みになり「たったこれだけ!」と驚いておられました。(わたしもびっくりしました)

またご親戚が多く、いつでも渡せるようにと祝儀袋と不祝儀袋をお菓子の缶に入れて保管。拝見するとシミが来ているものがあったり、折れてしまっているものがあったので中身を全部出して整理。お役目を果たせそうにないものは処分し、残すモノは種類ごとに分けてマチつきフォルダに納めました。一緒に使うふくさや切手盆も個別フォルダにイン。モノの収納にも使える、ホームファイリング®の強みを発揮しました。

4回目 全体調整

2回目までの分と合わせて全体の調整を行います。この時点でも買い替えた家電の取扱説明書が出てきたり「念のためと思ったけれどやっぱり不要」な書類も整理。厚みとタイトル名を精査して、管理表を入力します。

「こんな表まで作るの?」と不思議そうでしたが、別で保管している通帳や印鑑の場所も書いておけば、万一の時にもご家族が家じゅうを探さなくて済みますよ、とお伝えすると納得しておられました。

5回目 作成したラベルを貼付して完成

ラベル色は分かりやすい信号機カラーをチョイス。「年寄りは色でぱっとわかるほうがいいのよ」とおっしゃっていたので、ボックスラベルにも色のラインを入れました。管理表も読みやすいフォントに変更、大きめの文字サイズで納品しました。

ご感想

Iさまご感想(お手紙より)

私と同年代の人との話題は、終活に向けた片づけ。頭では分かっていても「そのうちに」と思っていると時は過ぎ去ります。病気や認知症になる前に、プロに手伝ってもらいながら自分の意思で要る要らないを決められたので後悔はありません。すっきりした気分です。

要不要を決めるのに時間がかかるので一日で一気に、とはいきませんが「これはどうですか?」と質問されると決めやすく、一人で悩むタイプの人にはプロの力を借りるのが早くて良いと思いました。残される家族にとっても、モノだけでなく書類が整理してある方が迷惑をかけなくて済むのでぜひオススメしたいです。

竹内の感想

食卓にあった封筒については、まず「書類に何が書いてあるか読む」ことがハードルになっていると感じました。身近に若い方がいらっしゃればお願いするのもよいですが、内容によっては頼みにくいこともあるでしょう。その点客観的に判断できるので、我々プロがお手伝いする価値は大きいのではと思いました。

私が入力しているパソコンの画面を「よくこんな小さな文字が見えるわねぇ」とおっしゃってましたが、年々つらくなるのは実は私も同じです^^; 一度作ってしまえばメンテナンスだけで済みますので早めにご依頼頂けてよかったなと思っています。この度はご依頼ありがとうございました。

まとめ

終活の一環での書類整理でした。年齢が進むと判断力や判断スピードが落ちてくるのは仕方のないこと。また1日にできる量も限られてきます。
対抗策は「誰かの力を借りること」と「早めにスタートを切ること」。自分の意思で決めたから後悔はない、の一言は人生の終盤においては重く響くのではないでしょうか。
いつかはやらないといけない、とわかっているけど重い腰が上がらない、という方の参考になればと思います。

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